100Wから240Wへ何が変わったのか
USB Power Delivery(USB PD)の最大240W対応は、2021年5月26日に発表されたRevision 3.1で導入されました。Revision 3.1より前のUSB PDは、20Vと5A対応のUSB Type-Cケーブルを使用する構成で最大100Wに制限されていました。Revision 3.1では、フル機能のUSB Type-Cケーブルとコネクターを通じて最大240Wを扱う能力が導入され、従来より大きな電力を供給できる仕様へ拡張されました。
追加された固定電圧と最大電力
出力上限の拡張を支えるのが、28V、36V、48Vという固定電圧の追加です。対応する最大電力は、28Vが140W、36Vが180W、48Vが240Wです。つまり、240W対応は従来の20V構成をそのまま高出力化したものではなく、より高い固定電圧を追加することで実現されています。
240W対応ケーブルの位置付け
最大240Wの電力を扱うためのケーブル要件はUSB Type-C側の仕様で定義されます。このため、USB PD側の最大240W対応と、それを扱うUSB Type-Cケーブルの要件は関連する別々の仕様として整理できます。現在のUSB-IF認証情報では240W(EPR)ケーブルが独立して扱われています。
Revision 3.1と掲載中の仕様を区別する
Revision 3.1は最大240W対応を導入した改訂です。一方、USB-IF文書ライブラリには2026年5月20日公開のUSB Power Delivery Specification Revision 3.2 Version 1.2が掲載されています。したがって、240W対応の導入経緯を説明するときはRevision 3.1を参照し、現在掲載中の文書を指すときはRevision 3.2 Version 1.2として区別するのが適切です。
要点
- 最大240W対応は2021年5月26日に発表されたUSB PD Revision 3.1で導入されました。
- 従来の上限は20V・5A対応USB Type-Cケーブルによる100Wでした。
- 追加された28V、36V、48Vは、それぞれ最大140W、180W、240Wに対応します。
- 240W級ではUSB PD側だけでなく、対応するUSB Type-Cケーブル要件も確認する必要があります。
- USB-IF文書ライブラリにはRevision 3.2 Version 1.2が掲載されており、Revision 3.1を「掲載中の最新仕様」として扱うべきではありません。
参照した一次情報
- USB-IF — USB Charger (USB Power Delivery)
最大240W、28V・36V・48Vの電力レベルを確認。 - USB-IF — USB Power Delivery Document Library
現在掲載されているRevision 3.2 Version 1.2と公開日を確認。 - USB-IF Compliance — Cables and Connectors
240W(EPR)ケーブル認証の現在の扱いを確認。